「みっちー」の想い出を綴っています。
訪問歯科の現場で起こった実際のお話を、コンパクトにしました。
皆さんこんにちは。
今回「想い出日記」という新たなカテゴリーを増やして
「みっちー」の想い出を綴ってみようと思います。
こちらもどうぞよろしくお願い致します。
非常にお元気で、明るく楽しい女性の入居者さんがいます。
訪問歯科診療が始まり、2回3回と診たころでしょうか、
「もう結構ですから!お金は事務所でいただいてください!」と仰られ、
その後は拒否が続いていきました。
施設の職員さんに「普段はどんなご様子ですか?」と確認すると、
「その日に何か予定があると、そのことばかり考えてしまわれるので、
早い時間帯にケアをしてみてはどうですか?」とアドバイスをいただきました。
翌週、到着後真っ先にその女性の居室を訪れるも、やはり拒否状態でしたので、
お口のケアは大切なことや、より永くご自身のお口で美味しく食事をするためにはなど、
お話をさせていただくと、なんと口腔ケアをさせてくださいました。
終わり際に、「お金は事務所でいただいてくださいね」と言われたので、
「たしか負担金は発生しない方なのに、なんでお金のことを仰るのだろう」と疑問に思いながら
「お金はかかりませんので大丈夫ですよ」とお伝えすると、
「あら、そう、でも事務所でもらってくださいね」
と笑顔で送りだしてくださいました。
もしかしたら、お金のことを心配して拒否が続いていたのかもと感じ、
翌週からも到着後真っ先にお部屋を訪れ、
「お金はかかりませんので安心してくださいね」
とご説明すると、笑顔で口腔ケアを受けていただけました。
その後は、何事もなかったかのように、歯科が来るのを楽しみにしてくださっており
廊下や食堂で出会う度に、笑顔で手を大きく振ってくださり、
お金のことは一切仰らなくなりました。
今では、
体操やリハをすることが大好きなお話や
勤務していた頃のお話やご家族のお話まで
いつも明るく楽し気にお話ししてくださっています。
嚥下リハも、積極的に参加してくださり、義歯も問題なく、
「今日のお昼は、なんでしょうね~♬」
といつも楽しみにされています。
・施設職員さんに普段のご様子を確認
・教えていただいたことを、すぐさま実践
・本当のネガティブ要素の抽出
・ネガティブ要素に対する丁寧なご説明
・ご本人の「元気でいたい」「食べたい」願望にマッチング
拒否があって、そのまま諦めてしまっていたら・・・
その方の今後はどうなっていたことでしょうか。
こんなに素敵な訪問歯科診療をお届けできるのですから、簡単に諦めてしまわず、
キチンと状況を把握して対応していくことが必要だと、改めて考えることができました。