新規訪問先開拓!営業の流れと考え方

【歯科医院編】訪問歯科診療! その手法と考え方とちょっとしたコツ! 歯科医院 営業編
2021/03/21 【訪問営業編】新規訪問先開拓!営業の流れと考え方

◆【訪問営業編】訪問歯科診療!その手法と考え方とちょっとしたコツ!


目次

新規訪問先開拓!営業の流れと考え方        


訪問歯科での「営業」は、皆さんがご苦労されているとよく耳にします。
この場でしっかりと記載しても、なかなか実践することが難しく、スキルとして身に付きにくいかもしれませんが、どんな営業をやっているのか?少しでも感じていただけるようにお伝えしていこうと思います。

訪問歯科の営業とは                         


ここでは、外部業者に営業依頼をしている歯科医院ではなく、院長先生や勤務医の先生が自ら足を運び営業活動をしている、また営業職を雇用しているが、大きな成果が上がっていない、そんな歯科医院向けにお話をしていきます。

一般的な営業と明らかに違う点が無数にあります。が、やることは完全に一致しており「成果」いわゆる「訪問先の獲得」です!

歯科では、まず初めに絶対に乗り越えなければならない壁があり、身に付けないとならない技術があります。

プライド と 機能説明  の排除です。


訪問歯科の営業では断られることがほとんどです。受付で門前払いをされるケースも多々あり、相当落ち込んでおられる先生方を見てきました。
まずは、「プライド」を捨てる!

ですが、これは非常に難しいと思います・・・

次いで、「機能説明」です。
自分の話ばかりしてしまったり、伝えたくて一生懸命に一方的に早口で話してしまったり、自分の医院ではこんなことができる!などのように、高価な機材を揃えているとか、医院の方針など、相手は全く聞きたい内容ではありません。

現に、何件もの歯科医院が営業に来て、同じような説明をして帰っていく・・・

それでは、後から営業に行く歯科医院の話など聞くわけもなく、「また営業か」と門前払いでもしたくなるものです。

思い当たることは何かありませんか?
そうです!医院に来られた営業さんに同じようなことをしたことはないでしょうか?


考え方と思考                            



まずは正しい「考え方と思考」を手に入れましょう!

いくつかのキーワードやポイントがあるのでお伝えしていきます。

なぜ、いま来ている歯科医院を替えるのでしょうか?

・歯科医院との関係が上手くいっている訪問先
・何の問題も感じていない()訪問先
・何の関心も持っていない訪問先
・歯科どころじゃない

などなど、ほとんどの訪問先では不便を感じておらず、昨今の介護職不足により人手が足らず忙しく、余計なことをしたくない!と思っておられます。

そんな中、
今来ている歯科医院を替えて新しい歯科医院を入れることが、どれほど大変で手間になることでしょう。

この事実をしっかりと認識した上で、営業の戦略を立てなければなりません。

営業先では、歯科医院の同じ話を何回も聞かされています。ですので、ちょっと違った入り方や、話題の提供など、トークのやり方を工夫すれば、グッと聞いていただける回数が増えてきます!



考え方のポイント
・入れ替わるのではなく、並行して参入する
  そのためには、競合の歯科医院ができないパフォーマンス、スキルが絶対条件!

  ※もちろん、入れ替わりを大前提としていますが、柔軟な思考と柔軟な行動が必要です。
   なぜなら、こんなに素晴らしい歯科医療を提供できるのですから、お一人でも多くの
   方々のお役に立てることが初めの一歩となります。
   
   自院の訪問歯科診療がキッチリとおこなえており、コミュニケーションがしっかりと取れ、
   訪問先との関係性が構築できていれば、自ずと患者さんが増えてきます。

・訪問先の「お困りごと」にフォーカスする
  こちら(歯科医院)の話をするのではなく、相手(訪問先)の話(問題点)を聴く
  傾聴する!ことが最重要。
  お困りごとは意外に多くありますよ!(気づかれていないだけです)

  お困りごとを解決することは、入居者様、訪問先、歯科医院にとって全て良いことです。

  ※それでもお困りごとが出てこない訪問先もありますが、口腔内について全く興味がないか、
   いま来ている歯科医院で満足しているかのどちらかでしょう。
   話していると、どちらかのケースかはすぐに見分けがつくと思います。

・お困りごとの掘り起こしトーク
  担当者(お相手)が話してくれるのを待っていても、お困りごとは出てきません。
  こちらからお困りごとを引き出していくことが重要です。

  ※お困りごとに気づいていないケースが多々あります。

トーク                          


様々なトークがあろうかと思いますが、よくお話を聴いていただけた時に使っているキーワードの一例をご紹介します。



・医療法人○○
  ○○歯科です、と話すと、「また歯科の営業か!決まっているのに・・・」と、なりやすく、
  お断りや、場合によっては門前払いされることもシバシバですが、「医療法人○○」と名乗る
  と、歯科と思われにくくなるので、お話ができる確率がかなり高かったです。

・玄関先(受付)の状態(季節の装飾など)、目に見えるもの全てを瞬時にチェック!
  受付さんにすぐに名乗るのではなく、綺麗に飾っているものや、珍しい物の感想をお伝えする
  と、喜んでいただけます。
  皆さんも一生懸命作ったものや、こだわりのものを褒めてもらうと嬉しいのと同じです。

※これだけでも、少し違った入り方になっていると思いませんか。

・歯科が入っていることを前提に、話をスタートさせる
  お困りごとがないか、こんなことで困っていませんか?など


いま、ほんの少しお伝えしただけですが、
「歯科の営業が来た!」と思われる印象とかなり違って感じませんか。
とにかく、キーパーソンと話せる機会を作ることが重要です。





トーク例

「こんにちは~ スゴイひな祭りの飾りつけですね!大変だったんじゃないですか?どなたが飾られたんですか~ スゴイ!!!」

「私、医療法人○○の△△と申します。施設長さんはお手隙でしょうか?」

施設長が出て来られて
「私、医療法人○○ ☐☐歯科医院の△△と申します。もちろんすでに歯科医院は訪問に来られていると思いますが、××のことでお困りなどございませんか?」

すると、印象は全く変わってくるのと、「お困りごと」にまで見事にたどりつけます。
「お困りごと」こそが、需要であり、歯科医院変更の動機の根源であるので、「お困りごと」を
掘り起こしていきます。

お困りごと例として
・嚥下は診ていますか?(ミールラウンドや食事形態の改善、経口維持加算のお手伝いなど)
・嚥下内視鏡で検査してもらえていますか?
・お部屋を回ってもらえていますか?

・義歯が合わずに苦労していませんか?
などなど、自院の「強み」や、競合歯科の「弱み」を精査してみてはいかがでしょうか。



※上手く進んだ一例です。
※上記例文にも、状況に応じて変化はさせますので、全てではありません。


もちろん、受付の段階で「どのようなご用件ですか?」とか、営業を断り慣れている事務員さんもいらっしゃいますが、その上を行くトークが必要になります。

※この場で全てさらけ出してしまうと、営業に行きにくくなってしまうので、この辺りで止めておきます。





医院の強み                   


ぜひ、ご自身の医院の「強み」を明確にしておいてください!
この「強み」が最重要になってきます。



この時も、ご自身の伝えたいことを前面に押し出すのではなく、自院の「強み」を訪問先に響く内容に沿わせることが大切なんです。

そのためには、「訪問先に響く」とは、どういうことかを理解する必要があります。

それは、多くの訪問先でのお困りごとに共通していることです。

いくら素晴らしい商品があったとしても、「買いたい」と思わなければ買っていただけない。
その「買いたい」を引き出す作り出すトークが必要になります。




自院の「強み」を明確にすることで、毅然とした態度で風格も出て、「あっ、いま来ている歯科と何か違うな!」と思ってもらえることでしょう。

自院の「強み」を、箇条書きと文章(トーク)の両方を用意してみてください。
あまり長くならずに、営業先に「響く」内容(お困りごと)にすることが重要です。



キーパーソンの見極め              



営業に行って、誰でもかんでも手当たり次第に営業トークをしてもダメなことは周知の事実ではありますが、営業と言ってもその時の担当者がどの職種かによってもトークを替えていく必要があります。




主なキーパーソン
 ・施設長
 ・事務長
 ・看護部長(現場責任者)
 ・介護士長(現場責任者)
 ・ケアマネージャー
 ・理事長
 ・社長

訪問先が病院や介護施設や在宅によっても、キーパーソンが変わってきます。
誰が決裁権を持っているのか?を見極めて、その決裁権がある方とお話を進めなければ、どんなに良い話をしても、先に進んで行く可能性が低くなってしまいます。

また、現場の責任者である看護部長や介護責任者に、いくら加算の話や事務系の話をしてみてもピンときません。

逆に事務長に、口腔内を力説したり、誤嚥がどうこう説明してもピンときにくいものです。




現場には、現場の方々が興味、関心、メリットがある内容
 臨床、解剖、手技、機材、結果、改善点など(特に口腔ケアの手技や嚥下、誤嚥性肺炎予防)

事務方には、事務方の興味、関心、メリットがある内容
 加算、施設の付加価値、リスクヘッジなど(加算が取れる施設には加算によるメリットなど)



理事長や社長と面識があるなら、TOPから話を降ろしてもらう方が圧倒的に楽ですが、実際には話が全て現場に伝わっていないことや、現場の気持ち(忙しい、興味がない、歯科に不満がないなど)が考慮されておらず、現場が反対勢力になることもシバシバあります。


情報収集(法人、関連施設など)        

営業に行くのなら、営業先の背景や関連施設も絡めたお話ができるようにしたいですね。

営業先法人の詳細を把握し、関連施設の所在地や定員など、話の内容によって展開していく(展開させていく)可能性もあり、理事長などを調べていると、意外とどこかで繋がっていたりすることもあり、営業の際には大きな武器に成りえます。




施設同士の横の繋がりは希薄ですが、施設長の異動があったばかりだと、異動前の施設の施設長の名前を教えてくださり、それを頼りにご挨拶に伺うきっかけにもなります。

一般的な営業と違い、訪問先は極限られており、その小さなパイを歯科医院がしのぎを削って営業していますので、ありとあらゆることを網羅して営業に挑まなければ、営業先が無尽蔵にあるわけではありませんので、契約率は下がってしまいます。


営業資料                   


営業資料は難しいところですが、大きな歯科医院では、しっかりと資料を作成し、印刷業者にも依頼し、見栄えが良いものを営業資料として持参していますので、すでにそこから競争は始まっています。



・歯科医院の説明が入ったもの
勉強会のテキスト
・院長先生の経歴や実績がわかる資料
訪問歯科のパンフレット(これが重要!)他の歯科医院と違うものが良いですね。
・嚥下内視鏡資料(あれば)

あまり多くあると目を通してもらないかもしれません。
ですが、インパクトのある資料は絶対条件です。
見ていただける、興味をひく、そんな資料を一番上にして用意したいですね。

あとは、
何度も顔を出せるように「お知らせ」的な、情報共有チラシや、サンプルなどを用意しておき、
集中的に訪問していきます。


タイミング                  



絶対にしてはいけないことがあります。

①「アポ」を取ること
②電話営業

何度もお伝えしますが、歯科の営業は頻繁に来ています。
そこでズボラをして電話をかけてアポを取るなど、電話営業に頼ってしまうと、
「結構です!」や「歯科は決まっています!」のひと言で終わってしまいます。

すると訪問先にとってめちゃくちゃ有益なお話をしに行く機会を失ってしまうことになります。




なぜ、「有益」と言ったかと言いますと、

 ・自院の強みがあり
 ・競合歯科との差別化のパフォーマンスがあり
 ・加算など算定のお手伝いができ
 ・施設の付加価値となり
 ・入居者さんが喜び感謝してくださり
 ・施設職員さんのスキルアップや離職率の低下にも寄与できる

まだまだありますが、これほど「有益」なことを話せないなんて・・・

これほど世の中に貢献できるのが「訪問歯科診療」なのですから、
何としてもお伝えしないといけません!


次に、朝イチやお昼休憩時、勤務終了時間近くは、絶対に避けましょう!

先にも出ましたが、営業先としてのパイは極少です。ですので、悪い印象は与えたくありません。
ましてや、キーパーソンにお会いできないことも多々あります。

何度も、営業に訪問するのは当たり前!

その時に「あ~、あの時の先生(営業者)か」なんて思われたら、そこで終わってしまっています。

※月末月初は、どこも忙しいですので、ここもよく考えて営業に行きましょう!




ポイント!

ご注意ください!へりくだるわけではありません!
不必要、無駄、余計、意味のない、印象や行動をあえてしないことが重要です。

不必要、無駄、余計、意味のないことは、常に知らず知らずのうちにやってしまっています!

あくまでも
立ち位置は、五分五分、ヒフティーヒフティー、半々、対等 の立ち位置でなければなりません。

上から行っても受け入れられるはずはありません。

共に、一緒に高齢者の方々のお役に立てる
訪問先の付加価値を高め素敵な施設へのお手伝いができる

診療も偉そうにするのではなく、
 ・「毅然」とした態度
 ・堂々とした対応
 ・深い知識
これらを、ナチュラルに振舞えることが重要なんです!


まとめ                    


プライドは捨て、機能説明はやめる
・営業先は、同じような話(営業)を何度も聞かされている
・営業の入り方を見直す
お困りごとにフォーカスを当てる
「医院の強み」を明確にする
・営業先に「響く」トークを作る
・営業先のキーパーソンを見極める
・事務方と現場へのトークは変える
・営業先の法人本体や関連施設なども調べる
・営業資料を用意する
「アポ取り」と「電話営業」は、絶対にしない
・営業先にとって「有益」な情報をお伝えするという思考
・世の中に貢献できる「訪問歯科診療」
・月末月初は、どこも忙しい
・不必要な印象は与えない
パワーバランスは、五分五分!



※全てがこのままで話が進んでいくわけもなく、
 その都度、その都度、様々な展開やニュアンスがありますので、情報の引き出しを多く作り、
 展開の筋書きを複数作り、臨機応変に柔軟に展開を導いていく必要があることを
 ご理解いただきますようお願いいたします。

※全てをお伝えしきれないことをご了承ください


事例
 口腔ケアに全く関心がない看護部長(病院長、施設長)さんから、
 口腔ケアの重要性を熟知している看護部長(病院長、施設長)さんに代わったとたんに、
 口腔ケアに力を入れてくれるようになり、歯科医院との連携も強固となり勉強会の開催など、
 一気に状況がかわることもシバシバありますので、担当者が代わる時は、
 良くも悪くも重要ですので、注力しておくことをお薦めします。





 

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