ミールラウンドってなに?!

【患者様編】”訪問歯科診療” 今後の人生をより良く過ごすために 患者様編
2022/02/21 【患者様編】ミールラウンドってなに?!

【患者様編】訪問歯科診療! 今後の人生をより良く過ごすために


目次


ミールラウンドってなに?!         


ミールラウンドとは、 
お食事の状態を観察し、実際のお食事の摂取状況や食べる姿勢、ひと口量、お食事の形態、ムセの有無などを見てまわります。咀嚼能力、口腔機能、嚥下機能、食事姿勢などをチェックして、どこに問題があるかなどを評価していきます。

問題が見つかると、すぐに改善することができることと、多職種で意見交換をおこない専門的な立場から適切なお食事を決めていく場合があります。

ミールラウンドをおこなうことにより得られる情報も多くあり、体重の増加や誤嚥性肺炎の予防など気づき対応していくことができます。



ミールラウンドは健康状態の確認のためにも重要

食べることだけを見るのではなく、元気に過ごされているか?などを見ることで、 
様々な気づきも見つけることができます。


ミールラウンド時にチェックする項目      


では、ミールラウンドの時にチェックする主な内容を見てみましょう!

①お食事の食べ方(食事形態や摂取量、ムセの有無などの確認)

②食べる際の姿勢、スピード、ひと口量(各々にあった食べ方)

③お食事の環境(机や椅子の高さ等)

④食べ物の認知(食べ物だと認識しているか)

⑤食器や食具の種類(形状の確認)

⑥食具の使い方(自助具などの必要性)

⑦食事介助の方法(食べ物を取り込む場所の確認など)

⑧食の嗜好(好き嫌いの確認)


ミールラウンドをおこなうことで、介護士さんの食事介助の状況確認や、 
アドバイスを受ける場としても、とても有効です。

お食事の食べ方                                              

お食事も形態や摂取量、ムセの有無などを確認していきます。


・食事の形態があっているか 
・食事の量は正しいか 
・しっかりと咀嚼(かみ砕く)ができているか 
・嚥下時(飲み込む)にムセはないか 
・食欲の有無 
・早食い 
・飲み込むときに苦しそうか 
・食べ物の溜め込みはないか(お口に残っていないか)


などなど、細かなことをチェックしていきます。 
誤嚥性肺炎の原因となりうる症状もあるので、 
しっかりとチェックしていただきたいですね。  
歯科の先生や歯科衛生士さん、管理栄養士さんなどが、 
ミールラウンドをおこなっている施設が多いです。




食べる際の姿勢、スピード、ひと口量             

各々にあった食べ方ができているか

・姿勢はあっているか 
  傾きがあったり、前のめりがあったり、座った足が床に付いていないなど 
・顎が上がった(上向き)状態で食べていないか 
・早食いになっていないか 
・お口に入る前にこぼれてしまう   
・食事をしていて疲れてきていないか 
・ひと口量が多すぎる、少なすぎる 
・お口に入れたまま止まってしまう 
・お食事の時間が長い 


片麻痺がある方や病状にあった姿勢や食べ方が、キチンと出来ているかを確認。



お食事の環境                        

机や椅子の高さや、クッションの有無 


・椅子に座って食べるときは、両足が床についているか 
・咽頭と気管の角度が少なくなると、食物が気管に入りやすくなる 
・車椅子で食事をする場合は、背もたれは90度近くになっているか 
・フットレストに足は置いているか 
・背中や頭にクッションはあるか 
・机の高さはあっているか 

これらを確認することも非常に重要です。


食べ物の認知                        

食べ物だと認識しているか、ウトウトしていて覚醒していなければ起きていただく 

・食事の拒否はないか 
・食事だと認識できているか 
・ボーっとしていないか 
・キョロキョロしていないか 

食べることを忘れてしまっていたり、食べ物を「食べ物」として認識できていなかったり、忘れてしまったりと、様々な状況がありますので、お声掛けをして食べ物を認識していただいたり、匂いを嗅いで認識していただいたりもします。


想い出日記

食器や食具の種類                      

形状の確認をしたり、病状に合わせた、身体にあった食具であるかを確認 

・握りやすいお箸やスプーン 
・フォークやスプーンの先が曲がるもの 
・握りやすい取っ手のついたコップ 
・寝たままでも飲みやすいコップ 
・すくいやすいお皿やお茶碗 

片麻痺で利き手交換した方や握力低下によって食具が持ちにくい場合など、様々な食具が開発され工夫もされていますので、その方に合った食具を選んであげたいですね。



食具の使い方                        

自助具などの必要性を観察 

・お口に運ぶ前にこぼれてしまっていないか 
・お口に入れるときにこぼれてしまう 
・咀嚼している間にお口からこぼれてくる 
・手の筋力の低下や、指が上手く動かせているか 

一人ひとりに合った食具なのか?原因が何で、どんな食具が適切なのか? 
介護士さんと一緒に考えていきましょう。





食事介助の方法                       


食べ物を取り込む場所の確認や、一人ひとりの麻痺の状態にあった食事介助必要 
寝たきりの方の食事介助では、必ず意識をはっきり(覚醒)させて、食べる体制を整えてることが大切です。「食事ができましたよ」「ご飯をたべましょうね」などと声をかけて、少し会話をしてから、食事介助に入るようにしましょう。 

◆高齢者と介助者は同じ高さの目線に合わせる 
◆なるべく座って食べる 
◆ひと口の量は、それぞれに適した量があります 
◆口の中のスプーンはすぐに抜かず、高齢者が食いついてから引き抜きます 
◆のどが、ごっくんと動く(嚥下)のを確認し、口腔内に残渣(飲み込めていない)がないかを 
 確認して、次のひと口を入れる。 
◆食べ物と味噌汁などの水分を、交互に取りながら食べると、のどに溜まった食べ物も流し込める 
 ので、誤嚥や窒息のリスクを軽減できます 

むせやすい方は、とろみ剤が入ったものを検討してみてください



食の嗜好                          

好き嫌いの確認をします 
好き嫌いを把握していなければ、嫌いなものの時に食事を残したりします。 
食べることは、ただ身体に栄養を補給するだけではなく、 
「おいしかった~」「お腹がいっぱいになった!」という食べる喜びと、身体が元気になり 
フレイルの予防にもなります。 


※フレイルとは:筋力や心身の活力が低下した状態


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歯医者さんのミールラウンド      


これらを、歯科医師の先生が食事中にチェックをします。 
摂食嚥下をされている歯科医師の先生や歯科医院がおこなっていると思います。 
誤嚥や咽頭残留、湿性音、ムセ、咳など、お食事の最中やお食事の後に声が変わってしまう 
嗄声(させい)などもチェックしてくれます。 

食事中にボーっとしていたり、キョロキョロと落ち着かないご様子の方は、 
食べものの認知障害の可能性がありますので、先生からアドバイスが入ります。  
また、食具の提案やひと口量、食べ物を置く位置など、麻痺状況等を考慮して診てもらえます。



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まとめ                     


近頃ムセが気になる、末永くお口でご飯を食べたい、食べて欲しい、 
胃ろうになったけど、ひと口でも味わってほしいなど、少しでも気になることがあれば、 
ぜひ摂食嚥下リハビリテーションをやっている歯科の先生に診ていただくことをお薦めします 

どの先生でも摂食嚥下リハビリテーションをやっているわけではないので 
少し調べる必要があるかもしれません。 
参考までに、下記に検索できるサイトを記載しておきますが、 
ネットではなかなか検索できないかもしれませんが、 
かなり力を入れて摂食嚥下リハビリテーションをやっている先生もいらっしゃいます



参考:摂食嚥下関連医療資源マップ

参考:摂食介護支援プロジェクト

参考:食形態マップ

参考:地域連携の取り組み~長谷先生に学ぶ「食形態マップ」の作り方~



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