【訪問先編】施設での訪問歯科のメリット、デメリット

訪問先編

【施設の付加価値を高める訪問歯科】

今回は、訪問歯科によるメリットとデメリットを検証してみましょう。



目次



デメリット                  

では、まずはデメリットから羅列していきます。
デメリットと言っても、悪いことではなく、物理的に増える作業のようなことです。

◆歯科が来ることで、申し送りや報告など、何らかの時間がとられる
◆報告書の管理、保管
◆入居者様やご家族様から、歯科についての相談や質問などがある
◆歯科から、入居者様のことについて相談や質問などがある
◆お風呂やリハビリなど、日々の業務に支障が出る

◆健康保険証など、コピーを用意しなければならない
◆歯科のことでご家族様と連絡を取らなければならない
◆職員不足で手が足らないが、日々キチンと口腔ケアをしないといけない気がする
 ちゃんとしておかなければ怒られるのではないか?
◆歯科の請求をしないといけない
◆加算等で、今までよりも作成しなければならない書類や業務が増える

などなど、ネガティブ系の内容が多いようです。
まだまだあるかと思いますが、このくらいに止めておきましょう。



メリット                   

では次に、メリットについて羅列していきましょう。

◆週に1度、口腔ケアをしてくれる
◆週に1度、口腔内をキレイにリセットしてくれるので、職員の口腔ケアにかかる時間が減る

◆様々な手技が学べる(強制ではないです)
お口を開けてくれない方や、拒否のある方も、キチンと口腔ケアをやってくれる
嚥下内視鏡検査を居室でやってくれる(皆さん食べたい意欲が高い)
摂食嚥下リハビリテーションをおこなってくれる
食事形態の見直しや、食べる姿勢ひと口量スピードなどアドバイスがもらえる
◆昼食前の嚥下体操をおこなってくれる
勉強会を開催してくれる(無料で)
誤嚥性肺炎が減少
インフルエンザが減少
窒息のリスクが軽減
◆しっかりとした歯科医院が訪問することで、施設の付加価値が向上する
◆入れ歯洗浄液や吸着剤のサンプルをいただける
◆義歯調整で入居者様の食欲が増し、栄養価も高くなる
◆噛むことで脳が刺激される
加算をとるお手伝いをしてくれる


などなど、メリットもきりがないほど出てきますが、いかがでしょうか?
でも、「業務が増えたりするでしょう!」と言った声が聞こえてきそうですが
そこは次章でほぼ払しょくしていくことにしますね。



デメリットの払しょく                  



◆歯科が来ることで、申し送りや報告など、何らかの時間がとられる
  → 当日の入居者様の健康状態や、訪問診療終了後の報告など、
    これらはどうしても必要なことですので無くすことはできません。
    問題がある方や注意が必要な方をメインに申し送りしますので、
    それほど時間は要しません。

◆報告書の管理、保管
  → 報告書は訪問歯科診療をおこなった証にもなりますし、
    その日の重要なことも記載されていますので必要な書類ですが、
    施設によっては報告書は必要ないと言う施設も50%ほどありました。

    考え方として、歯科と入居者様との契約なので、施設は関与していない、
    と言う感じでしょうか。もちろん医院には控えがありますので、
    必要な時にはコピーをお渡しできますので大丈夫です。

◆入居者様やご家族様から、歯科についての相談や質問などがある
 → 新たに訪問を開始した当初は増えるかもしれませんが、一時ご辛抱をいただきたいです。
   なぜなら、歯科と入居者様との契約にしていますので、その内直接のやり取りに必ずなって
   いきます。はじめはわからず施設に質問したりありますが、歯科からも直接やり取りする
   連絡先をお伝えしていますし、何度がやり取りしている間にご理解いただけています。

◆歯科から、入居者様のことについて相談や質問などがある
 → こちらも上記同様に訪問当初は入居者様のことがわからないのでお聞きすることは
   ありますが、進んでいく内に必ず無くなっていきます。

◆お風呂やリハビリなど、日々の業務に支障が出る
 → お風呂やリハビリ、往診の先生など、全て施設の予定を優先していただいていました。
   訪問歯科のお申し込みをいただいている方は多数ですので、空いている方から
   診させていただいていますので、ご心配に及びません。

◆健康保険証など、コピーを用意しなければならない
 → 基本的には歯科医院の事務よりご家族様からいただきます。
   もし施設さんの方で保険証の原本をお預かりしているケースでは、
   施設さんより保険証をいただくことになります。

◆歯科のことでご家族様と連絡を取ることがある
 → 訪問歯科のお申し込みをいただいている方は連絡先がわかりますので、
   歯科医院の方ですべて対応できます。しかし新しく訪問歯科のお申し込みがある時は、
   はじめの時だけはご家族様にご連絡いただかなければならないこともありますが、
   ご家族様が連絡先を施設さんから聞いてい良いとありましたら大丈夫です。
 

◆職員不足で手が足らないが、日々完璧に口腔ケアをしないといけない気がする
 ちゃんとしておかなければ怒られるのではないか?
 → いつもの通りの口腔ケアで大丈夫です。もちろんいつも以上にできれば良いことなのですが
   、職員さんの諸事情も理解できていますので、訪問歯科として週に1度訪問し、お口の中を
   リセットすることで、職員さんの負担も軽減されます。

◆歯科の請求をしないといけない
 → 歯科の請求は、これまでの施設と歯科医院との関係性もありますが、今では歯科医院が
   ご家族様と直接契約を結んでいますので、全て歯科医院とご家族様との間でおこなわれます
   ので、歯科の請求を頼まれることはないかと思います。

◆加算等で、今までよりも作成しなければならない書類や業務が増える
 → こちらに関しては、新しく加算を取っていくわけですので、どうしても作業としては増えて
   しまいます。これは歯科が絡んでいなかったとしても新しく加算を取るとなれば作業は
   増えますので、ご考慮いただければと思います。

   ただ、増える作業を少しでも少なくするために、歯科医院でも役所に書類の確認をしに
   行ったりと、最善を尽くしてくれる歯科医院もあります。

これで、皆様の不安やデメリットを少しでも解消できていれば嬉しい次第です。


リンク:【患者様編】保険証について(作成中)




まとめ                    

最近の訪問歯科診療は、かなり進んできており、歯科を「サービス業」としていち早く捉え
患者様や入居者様、ご家族様等に、キッチリとサービス精神をもって対応されている歯科医
院が増えてきています。
歯科医院の数はコンビニの数よりも多い現在、今までのやり方では歯科医院も苦戦を強いられるので、素早い身のこなしで「今」に対応できる歯科医院が強い訳ですね。

今回上げた内容は一部に過ぎませんが、皆さんの施設でも「あっ」と思い当たる節がありました
ら、ぜひ再考にしてみてはいかがでしょうか。

今や訪問歯科診療は、施設に来て虫歯を治し、入れ歯を調整するにとどまらず、
訪問先に多くの利益をもたらしてくれる「有益」なビジネスパートナーと言えるでしょう。


最後に、ダーウィンの言葉をご紹介します

最も強い者が生き残るのではなく、

最も賢い者が生き延びるのでもない。

唯一、生き残るのは変化できる者である。

 

チャールズ・ダーウィン 



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