口腔ケアについて

【患者様編】”訪問歯科診療” 今後の人生をより良く過ごすために 患者様編
2021/03/01 【患者様編】口腔ケアについて

【患者様編】”訪問歯科診療” 今後の人生をより良く過ごすために

目次




口腔ケアについて                 



ここでは、「口腔ケア」についてお話していきます。
口腔ケアは、お口の中を清潔にするだけでなく、歯やお口の疾患を予防し、お口の機能を維持するためにおこないます。
お口の中をキレイにすることで、様々な効果がありますので、介護されているご家族の方も、参考にしてみてはいかがでしょうか。


著名人がお亡くなりになられた時のテレビの報道で、「誤嚥性肺炎」という言葉をよく耳にするかと思いますが、まさにこの「誤嚥性肺炎」を予防するのが「口腔ケア」になります。

今では、口腔ケアが主流となり、多くの予防効果があると言われています。

口腔ケアは、今や当たり前の時代です


口腔ケアとは                


ここでは、訪問歯科診療での口腔ケアのお話をしていきます。
口腔ケアには様々な良い作用があり、素晴らしい効果があります。

 ・虫歯予防
 ・歯周病予防 (心臓病や糖尿病の予防に繋がる)
 ・誤嚥性肺炎予防
 ・インフルエンザ予防
 ・唾液分泌促進
 ・口臭予防、改善
 ・認知症の予防

など

「口腔ケア」は単なるハミガキだけではなく、「お口の機能を守る」ことでもあります。
お口の機能は、「食べる」「呼吸」「話す」など、生きることに欠かせない機能です。
より永くご自身のお口から食べ続けるためにも、口腔ケアは大切なのです。

ポイント
特にうがいができない方は気を付けてください!!!
ただお口の中を歯ブラシやスポンジブラシ等でこすって汚れを落としても、キチンとその汚れを回収しないと、逆にその汚れを誤嚥してしまい「誤嚥性肺炎」になりかねませんので、「汚れの回収」が非常に重要なのです。


スポンジブラシ等で汚れを拭き取っているように感じますが、キチンと汚れを拭き取っていなければ、「汚れをあちこちに塗りたくっている」ことになります。



口腔ケアの内容               



口腔ケアの内容について、各項目ごとに説明していきます。

歯みがき                            

ご自身や施設等でキレイにしきれないことが大半ですので、週に1度の訪問で、歯みがきをして、綺麗にさっぱりします。
うがいが出来ない方には、吸引ブラシを用いて、吸引機で吸引しながら歯みがきをしていきますので、誤嚥させないような対応をします。お口をキレイに清潔にすることで、歯周病を予防し、お口の中の細菌を誤嚥(ごえん)して肺に入ってしまわないようにします。

※誤嚥とは・・・食べ物や水分が、本来通るべき食道を通らずに誤って気管に入ること
 皆さんも食事などをしていて、時々ムセることがあるかと思いますが、それが「誤嚥」です。
 健康な方は、それをムセ(咳)ることで気管から排出していますが、多少細菌が気管(肺)に入
 っても誤嚥性肺炎にはなりませんが、高齢者ですとムセ(咳)ることが出来なくなっている方も
 多くいらっしゃいます。
 また、寝ている時に、ご自身の唾液を知らず知らずのうちに「誤嚥」していることもありますの
 で、お口の中を清潔に保つことが非常に重要です。

関連:【患者様編】誤嚥性肺炎について


舌苔(ぜったい)除去                      

舌には細菌や食べかす、お口の中の粘膜が剥がれ落ちたものなどが、舌に付着しています。舌の上が白くなっていたり、黒くなっているのを、舌ブラシ等を用いて、除去していきます。
舌苔が多いと風邪やインフルエンザ、口臭の原因、誤嚥性肺炎の原因となりますので、除去していきます。

※「黒毛舌(こくもうぜつ)」と言い、服用しているお薬が原因で、舌が黒くなっていることもあ
 ります。



「口腔カンジダ症」
またお口の中(舌などが白っぽい)に痛みや違和感を感じられていたり、お口の端が切れてなかなか治らない方も多くおられますが、その原因にカンジダ症が考えられるので、歯医者さんに相談してみてください。

      カンジダ菌:真菌に属するカンジダ菌によって引き起こされる感染症

※舌苔とカンジダ症と見分けが付きにくいので、綿棒で舌の表面をこすり菌を採取し、培養して調
 べます。


歯ブラシなどであまり強くこすると舌を痛めますので、専用の「舌ブラシ」の使用をお薦めします。

バトラー(BUTLER)やさしい舌ブラシ 6本セット バトラー(BUTLER)集中ケアブラシ 6本セット バトラー(BUTLER)お口にやさしいブラシ 6本セット


歯垢、歯石除去                         


単なる歯みがきでは済まさず、「専門的口腔ケア」をおこないます。薬液、スポンジブラシ、歯間ブラシやフロス(糸ようじ)を使って、歯の隙間の歯垢まで、きっちりと落としていきます。

また、スケーラーと言う器具を使用して、歯石を除去することもします。

歯ぐきからの出血が多かったりすると、歯石や歯垢が溜まっている可能性があり、虫歯や歯周病のの原因にもなり、大切な歯を失うことになってしまいますので、しっかりと除去してもらえます。

※入れ歯にも歯石は付着しますのので、入れ歯の歯石除去も重要です。
 訪問先でも簡単に除去できますので、歯医者さんに相談してみてくださ。

入れ歯洗浄                              


義歯ブラシや義歯洗浄剤を使って入れ歯を洗浄します。入れ歯にも、歯垢や歯石が付着しています。しっかりと除去しなければなりません。

ぜひ一度、ご家族の入れ歯を、そっと見てみてください。

訪問診療に行っていて驚くことが、入れ歯が汚れている方が非常に多いことです。
施設では、通常の業務が忙しく、人手不足もあり、なかなかお口のことまで手が回らないのが現状です。ですので、週に1度訪問歯科に来てもらい、お口も入れ歯もキレイにスッキリとリセットしたいところです。

また、入れ歯専用の「義歯ブラシ」の使用をお薦めします。歯みがき粉は使わないようにしてください。歯みがき粉には「研磨剤」が入っていて、入れ歯を傷つけてしまい、その入れ歯のキズに細菌や汚れが付着しやすくなり、逆効果になってしまいますので、気を付けてください。


めちゃくちゃ多い事例
   入れ歯を洗わずに「入れ歯洗浄剤を溶かした液体」に浸けている。
    必ず入れ歯は洗って汚れを落としてから、入れ歯洗浄剤に入れるようにしてください。
    さもなければ、汚れも菌も落ちていません!


粘膜清拭、マッサージ                       


スポンジブラシ等で、口腔粘膜も清掃して清潔に保ち、感染の予防をします。頬っぺたや歯茎をマッサージすると、本当に気持ちがいいです!

胃ろうの方や寝たきりの方など、お口を使わないことが多いので、粘膜などが付着し乾燥してカピカピになったお口の中も、キレイに清拭してくれます。(コツがあるみたいですよ)

◆事例
 胃ろうなので口から食べていないので口腔ケアはいりません!

 のように、ご家族や施設から言われることが非常に多いです。
 お口から食べていないからこそ口腔ケアが必要なのです。


唾液腺マッサージ                        


高齢になると唾液の分泌量も下がってきて、お口が乾燥したり、ネバついたりしてきます。唾液があるおかげで唾液の自浄作用で細菌の増殖を抑え、口臭、虫歯、歯周病などの原因の細菌繁殖を抑える、抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を含んでいます。



図のように、耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージすると、ジュワ~っと唾液が出てくるのがわかりますので、ぜひやってみてください。
あとは、口輪筋や歯茎などのマッサージをして、場合によってはお口の中や唇にも保湿ジェルを塗り保湿します。
この時、あまり多くの保湿ジェルを塗りすぎると、逆効果になりますので気を付けてください。


チェック!                   



チェック①
 口腔ケアでお口の中を清潔にすることで、もちろん日々の生活をよりよく過ごせます
 ・より永くご自身のお口で食事が出来る
 ・より永く普段食べているもの(常食)を食べられるようにする
 ・結果的に、医療費が下がる(チェック④参照:厚生労働省データ掲載)
 ・QOL(生活の質)の低下の予防につながる 
など、
様々な効果もありますので、訪問歯科の依頼をご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。


また、ご飯が食べられるということは、フレイル(虚弱体質)予防に繋がります。


関連:【患者様編】教えて!!! フレイルって?!(製作中)


チェック②
施設等へ見学に行った際は、なるべくお食事の時を見られると、様々な「想い」が出てくるかと思います。
永く常食を食べていたい、永く普通の物を食べていたい、と感じるのではないでしょうか。
ペースト食と言って、ミキサーにかけたものや、細かく刻んだものなど、場合によってはお腹に穴をあけて直接、胃に栄養を注入(胃ろう)されている方もいて、ご病気で仕方なくその様な食事形態になっているのですが、少しでも永くご自身のお口から食べられるようにするには、口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションが必要になってきます。

同時に、いまこの段階で、お若い時から、お元気な間に、お口の中の状態を気にかけてみてください。

お口は、『命の入り口』です


チェック③


要介護高齢者の日常における関心事(施設で楽しい事)についての順位です。
いかがでしょうか? いずれも「食事」が第1位 になっています。


【参考】
「死ぬときに後悔すること」ベスト10
   第2位 美味しいものを食べておかなかったこと
     (食べることは生きること、生きることとは食べることである)

「健康の後悔」トップ20
   第1位 歯の定期検診を受ければよかった
     (いざ歯を失って、美味しく食べられなかったり不便を感じる)


チェック④
口腔ケアでお口の中を清潔に保つことで、免疫力が向上し
医療費の削減ができるという報告も上がっているほどです。

厚生労働省や日本歯科医師会からも、医療費削減に繋がっている資料が出されています。

引用:平成28・29年度モデル事業の試行分析結果概要


口腔ケアの効果                 


口腔ケアによる効果ですが、様々な効果があります。
まずはじめに一番早く表れる「口臭の改善」が多いようです。


お口の中がかなり汚れている方が多数おられ、入れ歯も汚れており、歯周病も進んでいることも多く、訪問歯科の歯医者さんが口腔ケアをすることで、お口の中の状態が改善され、比較的早く効果を実感できると思います。


継続的に重要な効果としては、
 ・全身疾患予防(心臓病、糖尿病、脳血管障害、誤嚥性肺炎など)
 ・お口の機能維持(永く自分のお口で通常の食事を食べるために)
 ・インフルエンザや風邪の予防(舌苔などの清掃の効果が大きい)

などなど、たくさんの効果がありますので、ご病気になられる前からが大切です。
またご病気になられた時には、早い段階で訪問歯科を依頼されてみては如何でしょうか。


まとめ                    


・口腔ケアは、いまや当たり前
・口腔ケアはお口の中を清潔にするだけでなく、歯やお口の疾患を予防し、お口の機能を維持する
・インフルエンザや、誤嚥性肺炎を予防
・全身疾患予防(心臓病、糖尿病、脳血管障害、誤嚥性肺炎など)
・医療費削減に繋がる
・お口は、「命の入り口」
・口臭が減る
・施設での楽しみの第1位は「食事」である!


最後に                    


本当に多くの高齢者の方々は「食べる」ことを楽しみにされており、施設での「楽しみ」が1番にもあがっています。
もし、「自分が」と考えて、早い段階からご自身のお口の中に関心を持っていただければ、
もし、ご両親、祖父母、お身内の方々がご病気等で施設に入居することがあったなら、ぜひこのブログのことを思い出してやってください。

頭の隅っこに、チョコンと置いていてもらえれば幸いです。

記載した内容の全てが正解というわけではなく一例であり、
全ての訪問歯科診療が、この内容に沿うものでもありません。

管理者が、見て、体験して、良かったことをご紹介したものですので
どうか取捨選択の程、よろしくお願いいたします。

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