【患者様編】”訪問歯科診療” 今後の人生をより良く過ごすために
目次
訪問歯科診療内容のついて
皆さん、こんにちは。
今回は、「訪問歯科診療の内容」について、掘り下げてお伝えしていきます。
毎回、訪問歯科に立ち会えるわけでもなく、実際に、どんな風に診ていただいているのかわかりづらいかと思いますので経験談をご紹介していきます!
関連:【患者様編】「訪問歯科診療とは」
で、ご紹介した内容の「診療内容」ついてお話ししていきます。
治療
【治療】 以前は治療しかおこなっていなかったようですよ
◆抜歯:歯の揺れが激しい場合は、自然に抜けてしまって誤飲や誤嚥(誤って食道、気管や肺に入
る)する可能性がありますので、抜いてしまいます。痛みがある場合も抜歯することもあ
ります。以前は、ワーファリン等のお薬を飲んでいる方は服薬を止めるようなことがあり
ましたが、今は服薬を止めるリスクも考慮し、抜歯後の止血もしっかりとできることか
ら、服薬を止めずに抜歯します。(歯科医院によります)
飲み込んだ歯が胃に入れば、自然に排出されるのですが、もし、気管や肺に入ってしまう
と大変なことになります。
◆むし歯:痛みがない時は様子を見る時もあります(ご高齢ゆえに)
その際、尖っている個所があれば、削って丸くします。
痛みがある時は、治療していきます。
患者さんに極力負担をかけないように、手短に治療をしていきます。
健常者でさえ、長時間口を開けて診療台に座っていると疲れますよね。
※その他、主訴に応じて様々な治療をおこなってもらえます。
義歯(入れ歯)
◆入れ歯:入れ歯を新しく作成することもできます。
割れてしまった入れ歯は、すぐに新しいものではなく、今までお使いの物の方が慣れも
あり使いやすいかと思いますので、まずは修理をお薦めします。
それでもダメなら作成していきます。
入れ歯はお口の状態の変化で、合わなくなってくることが多いので、調整もすぐにでき
ますので、遠慮などなさらずに、何度でも具合の悪い箇所をいってください。
◆先生に申し訳ない!と思って、「大丈夫です」と仰ってくださる方を沢山見てきましたが、
本当に遠慮なく仰っていただくことが、双方にとって良いです。
新しい革靴と一緒で、慣らしていかなければなりませんし、微調整が必要ですので、
どうぞ遠慮なさらずに申し出てください。
◆お元気な内に、今の状況にあった入れ歯を作ることをお薦めします。
なぜなら、お身体の状態が悪化してからや、認知症になってからでは、ちゃんとした
入れ歯を作ることが難しくなります。
それは、型取りをする際にじっとできなかったり、我慢できなかったり、異物と勘違いしたり、
と、なかなか上手くできないことが多々あります。
◆一度割れてしまった入れ歯を修理して使えるようにはなりますが、どうしても一度割れてしまっ
たものですので、再び割れることもシバシバありますので、その際は作り直しをした方が良いで
すね。
義歯については、さらに詳しく事例を混ぜたお話を別記事にあげますね。
口腔ケア
今では、口腔ケアが主流となり、
・誤嚥性肺炎予防
・認知症予防
・インフルエンザ予防
・歯周病予防
などなど、多くの予防効果があると言われています。
さらには、口腔ケアで口腔内を清潔に保つことで、
医療費の削減までができるという報告も上がっているほどです。
【口腔ケア】 口腔ケアは、今や当たり前です
◆歯みがき:ご自身や施設等でキレイにしきれないことが大半ですので、週に1度の訪問で歯みが
きをして、綺麗にさっぱりします。
うがいが出来ない方には、吸引ブラシを用いて、吸引機で吸引しながら歯みがきをし
ていきますので、誤嚥させないような対応をします。
◆歯垢除去:単なる歯みがきでは済まさず、「専門的口腔ケア」をおこない、薬液、スポンジブラ
シ、歯間ブラシやフロス(糸ようじ)を使って、歯の隙間の歯垢まで、きっちりと落
としていきます。
また、スケーラーを使用して、歯石を除去することもします。
◆入れ歯洗浄:義歯ブラシや義歯洗浄剤を使って入れ歯を洗浄します。
入れ歯にも、歯垢や歯石が付着しています。しっかりと除去しなければなりませ
ん。
ぜひ一度、ご家族の入れ歯を、そっと見てみてください。
めちゃくちゃ多い事例
※入れ歯を洗わずに「入れ歯洗浄剤を溶かした液体」に入れている。
必ず入れ歯は洗ってから、入れ歯洗浄剤に入れるようにしてください。
さもなければ、汚れも菌も落ちません!
◆粘膜清拭:スポンジブラシ等で、口腔粘膜も清掃して清潔に保ち、感染の予防をします。
頬っぺたや歯茎をマッサージすると、本当に気持ちがいいです!
胃ろうの方や寝たきりの方など、お口を使わないことが多いので、カピカピになった
お口の中も、キレイに清拭してくれます。(コツがあるみたいですよ)
摂食嚥下リハビリテーション
【摂食嚥下リハビリテーション】 現在の訪問歯科では必要不可欠です
嚥下機能の状態を確認するために、食事時の観察や嚥下内視鏡(VE)検査などを行います。
間接訓練:食べ物を使わない訓練
嚥下に必要な器官のマッサージやトレーニングなどをおこなう
直接訓練:食べ物を使った訓練
実際に食べ物を食べることでトレーニングをおこないます。
まずは咀嚼のいらない水分やゼリーなどから始め、段階的に食事形態をあげることに繋
げます
※全ての方が食事形態が上がるとは限りません
※現状を維持させる効果や、落ちていくスピードを鈍化させるように頑張っています
詳しくは、下記にてご紹介しています
関連:【患者様編】誤嚥性肺炎について
関連:【患者様編】摂食嚥下リハビリテーションについて
嚥下内視鏡検査 VE
【嚥下内視鏡検査 VE】
嚥下内視鏡検査ができる歯科医院は、まだまだ少ないです
◆嚥下内視鏡を鼻から喉へ入れた状態で、水分やゼリーなどを飲み込み、その様子を観察します。
普段食べている物で検査をするのが、現在の食事形態についてよりよく診ることも出来ます。
◆上手な先生でしたら、痛みもなくすぐに喉まで入ります。 (管理者の体験談です)
※自分自身、何度も嚥下内視鏡を入れてもらいましたが、上手い先生は一瞬で挿入してくれますの
で、痛みも何も感じませんでした。
※常食を食べている方が嚥下内視鏡で検査すると、食べ物を丸飲みしていたケースや、ペースト食
の方では、きざみ食の様に1段階 食形態を上げて行くことも可能な方もいらっしゃいましたの
で、適切な訓練も必要ですが、「今の状態」を確認して今後を先生と話すのも良いかもしれませ
ん。 (施設や主治医の先生の方針によります)
関連:【患者様編】誤嚥性肺炎について
関連:【患者様編】摂食嚥下リハビリテーションについて
嚥下体操
【嚥下体操】 やってくださっている歯科医院は、マチマチかもです
◆誤嚥性肺炎の予防と、ちょっとした嚥下のリハビリにもなり、昼食前に「嚥下体操」をやってく
れる歯科医院もあります。 食堂で皆さんと一緒にやります。
普段は施設職員さんが体操をやっていると思いますが、たまに違った形で歯医者さんがやってく
れると、入居者さんも喜んでくれていましたよ。
◆また、歯科医院が嚥下体操をやっているので、介護士さん達は空いた時間を有効に活用し、入居
者さんのタメに繋がっていました。
◆「パタカラ」、「早口言葉」、「お歌」など、様々な体操があります。
ミールラウンド
【ミールラウンド】 なかなかやっている歯科医院は少ないかもです
◆ 昼食時に歯科医師が食事の様子を観察して、担当者さんへ報告します。
◆ 食事形態、姿勢、一口量、速さなどをチェックします。
◆ 食べる時に、すごく重要なことなんです。
◆ 誤嚥性肺炎の予防や窒息の予防にもなります。
◆ 食事形態を上げられる方、嚥下機能の現状をキープする方、嚥下機能の衰えていくスピード遅く
させる方、などなど様々なケースがありますが、いずれにせよ、より永くお口で食べていただけ
るように歯医者さんは頑張っています!
関連:【患者様編】誤嚥性肺炎について
関連:【患者様編】摂食嚥下リハビリテーションについて
最後に
今回は、診療内容についてザックリとご紹介させていただきました。
今後、各項目のより詳しい内容をアップしていますので、どうぞそちらの方もご覧ください。
さらに掘り下げて、より詳しい内容にしています。
記載した内容の全てが正解というわけではなく一例であり、全ての訪問歯科診療が、この内容に沿うものでもありません。管理者が、見て、体験して、良かったことをご紹介したものですのでどうか取捨選択の程、よろしくお願いいたします。
訪問歯科医院選びの「参考」になればと思います。
正確な情報や診療内容については、専門職である歯科医院のサイトにてご確認くださいますようお願いいたします。